服用できる薬ってあるの?妊娠中・授乳中の花粉症治療のポイント。

服用できる薬ってあるの?妊娠中・授乳中の花粉症治療のポイント。

妊娠中に安全な花粉症治療とは?

妊娠中や授乳中の花粉症患者さんにおける花粉症治療では、通常の花粉症治療と比べて制限が多いのですが、安全性に関する報告が行われている治療薬もあります。今回は、妊娠中や授乳期間の花粉症治療をご紹介します。ただし、治療の悪影響が赤ちゃんに出にくくするためには医師の判断が重要であり、自己判断での市販薬の使用はお勧めできません。医師の診断を受け、薬を処方してもらうようにしましょう。

出産前後の花粉症治療は必ず受診して行おう

 

妊娠4か月頃まではワクチン接種や薬剤の使用を控えることが望ましい

通常、赤ちゃんの器官は、妊娠期間を通じて形成、発達し続ける脳と脊髄を除くと、ほぼ全てが受精からおよそ10週間後(妊娠4カ月頃)までに完全に形成され、先天異常のほとんどは、この器官の形成期に起こると言われています。

赤ちゃんはこの時期、薬剤などの影響を最も受けやすい状態にあります。この期間は、母体の健康を守るために不可欠な場合を除いて、妊婦はワクチン接種や薬剤の使用を控えることが望ましいといえます。ただし、赤ちゃんへのリスクと母体の健康を考慮し、後者の有用性が上回ったと判断できた場合に限り、ワクチンや薬剤の使用が優先されるケースもあります。

 

安全性が高い順にレーザー治療>点鼻・点眼>内服

花粉症治療において、赤ちゃんへの安全性が高いものは、概ねレーザー治療>点鼻・点眼>内服の順になります。したがって、通常は妊娠5カ月まではレーザー治療や局所療法(血液に移行する薬効成分が少なく、赤ちゃんへの影響が小さいと考えられる点鼻薬、点眼薬など)が勧められます。点鼻薬は、症状や重症度に応じて抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド薬を、点眼薬では抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を用いると良いとされています。また、内服薬の投与が好ましいケースでは、第一世代抗ヒスタミン薬が用いられるケースもあります。

妊娠中期(5カ月目)以降になると、使用できる治療薬の幅が広がります。しかし、日本ではほとんどの抗アレルギー薬が「妊婦へは治療上の有益性が危険性を上回る場合のみ投与すること」と記載され、薬剤別に妊娠中の投薬リスクを評価するのが難しいため、海外の評価基準が用いられます。

その1つであるオーストラリア医薬品評価委員会(ADEC)先天性異常部会によるオーストラリア基準では、第二世代抗ヒスタミン薬のロラタジンが「催奇形性が観察されておらず動物を使った実験でも障害の発生が増加したというデータがない」、また、セチリジンとフェキソフェナジンが「催奇形性は確認されていないものの、動物実験でのデータはまだ不足している」などと評価され、これらの抗アレルギー薬は内服しても赤ちゃんに影響を与える可能性が低いと考えられます。

 

妊娠中と授乳中で安全性の評価が異なる治療薬も

授乳中の花粉症治療については、Medication and Mother’s MilkによるMother’s Milk基準を評価基準として用います。

前述の3剤では、Mother’s Milk基準においてロラタジンが「多くの授乳婦が使用するが、赤ちゃんへの有害報告なし」、セチリジン、フェキソフェナジンが「少数例の研究に限られるが、乳児の有害報告なし」などと記載されています。

しかし、クレマスチンのように、オーストラリア基準では「多数の妊婦に使用され、催奇形性が観察されていない」と妊婦には安全とされている一方で、Mother’s Milk基準では「赤ちゃんや乳汁産生にリスクがあるという明らかな証拠があるが、授乳婦の有益性が赤ちゃんへのリスクを上回る場合は許容」とされ、安全性の評価が両基準でやや異なる治療薬もあります。

その他、もし花粉症治療中に妊娠が分かった場合は、直ちに花粉症または産婦人科の主治医に相談した方が良いでしょう。

以上、これまでに説明した出産前後における花粉症治療の主なポイントをまとめると下記ののようになります。 妊娠中の治療、授乳中の治療、治療中に妊娠が分かった場合

 

このように妊産婦においても使用できるとされている花粉症治療薬はありますが、患者さんには赤ちゃんへのリスクについての判断が難しいため、受診して医師の判断に基づいて治療を行うことが勧められます。お医者さんに行くことが困難な場合は、オンライン診療を活用して、自宅や職場から隙間時間で診療を受けることもできます。まずは下記から症状チェックを行って、対策や治療についてコンシェルジュに相談してみましょう。

 

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花粉症ドクター監修医師

梅岡 比俊先生

医療法人梅華会グループ理事長
開業医コミュニティM.A.F主宰
予防未病健康医師協会

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